毎日使うシャンプー。その主役である「界面活性剤」は、汚れを落とす一方で、頭皮の細胞に負担をかけることがあります。界面活性剤の基礎から、細胞毒性の少ない低毒性処方の研究までを解説します。

界面活性剤は頭皮トラブルの原因になりうる

薄毛の要因の一つは、頭皮と毛根細胞の老化によるものです。研究の過程で、界面活性剤が頭皮や毛根の細胞を老化させることが分かってきました。つまり、シャンプーやトリートメントが頭皮環境に影響している可能性があるのです。

一般的な界面活性剤は「疎水基(脂肪酸)」と「親水基」の二つの部分をもち、この構造で水と油を混ぜ合わせて汚れを洗い落とします。石鹸系・アミノ酸系・ベタイン系・スルホン酸系・ノニオン系などに分類されます。

「泡立ち」と「洗浄力」は関係ない

界面活性剤は水の表面張力を下げて安定した泡をつくります。直鎖状の界面活性剤は泡を作りやすく、帯電した親水基が互いに反発して泡の安定性を高めます。一方、洗浄は疎水基が汚れに入り込み、親水基が汚れを遊離させることで起こります。

洗浄力試験の結果、「泡立ちと汚れ落ちは関係ない」ことが分かりました。よく泡立つことと、よく洗えることは、科学的には別物なのです。

細胞毒性試験でわかったこと

ヒトの線維芽細胞または表皮角化細胞に試料を30分間作用させた後、2週間培養して細胞を染色する方法で、100種類以上の界面活性剤、約70種以上のコンディショニング成分、50種以上のシャンプー製品について細胞毒性試験を実施しました。

約150種のヘアケア成分を分析した結果、細胞毒性が極めて低い界面活性剤を発見しました。その細胞毒性は、一般に使われている界面活性剤の100分の1以下でした。

界面活性剤の毒性のメカニズム

  1. 界面活性剤は細胞膜表面へ可逆的に結合する
  2. 微量の界面活性剤は膜表面の受容体に結合し、DNA複製阻害を通じて細胞老化を誘導する
  3. 高濃度の界面活性剤は化学的に細胞を破壊する

一般的な界面活性剤は直鎖状構造で起泡力に優れる一方、細胞毒性が強い傾向があります。逆に、細胞毒性の弱い界面活性剤は大きく複雑な親水基をもつため(例:ポリソルベート)、起泡力が乏しく、細胞膜への結合効率が低いのです。だから「泡立たない」ことが、頭皮にやさしい証拠になります。

細胞毒性の少ないシャンプーの開発

研究の成果として開発したシャンプー/トリートメントは、市販品の100倍以上細胞毒性が少なく、特許を取得しました(特許第7193108号)。補助成分もすべて分析し、安全な高機能成分を配合しています。

市販のシャンプー&トリートメントは、例外なく強い細胞毒性を示し、皮膚に塗布すると炎症や毛髪形成の阻害を起こしました。私たちは、非科学的な「泡」信仰を是正し、頭皮にやさしい安心・安全な製品を広めることを目指しています。

※本記事は界面活性剤と洗浄剤に関する研究知見を紹介するものであり、特定の疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。特許第7193108号は当社が保有する特許です。