REVERSE AGING

老化は、防げる。戻せる。

若返りとは、老化の進行を遅らせるだけでなく、老化細胞を減らして正常な状態へ戻すこと——リバースエイジングを意味します。私たちの研究チームは、細胞の老化は「不可逆的な死」ではなく、「細胞ダメージから生き延びるための延命状態」であり、条件を整えれば若返ることを示しました。

老化した細胞が、ふたたび分裂を始めた

THE PROOF

「一度老化した細胞は、二度と分裂できない」——長いあいだ、これが生物学の常識でした。私たちの研究チームは、この常識が覆ることを培養細胞で示しました。

正常に増殖する細胞 タンパク質合成とDNA複製がつり合っている 老化誘導因子 DNA複製が遅れ、 タンパク質合成だけが続く 老化した細胞 タンパク質が過剰にたまり、肥大して分裂を止める タンパク質合成を 約10%抑える 細胞内のゴミが 減る ふたたび分裂を始める = 細胞レベルの若返り
核(DNA・RNA)タンパク質
培養細胞を用いた、世界で初めての実証
タンパク質合成を抑えると、老化誘導剤があっても細胞は老化しない。老化細胞が分裂を再開(若返り)することを実証
Takauji Y et al., Scientific Reports, 2016
THEORYBGC理論今までの研究は培養細胞を用いた研究でした。ヒトの若返りを目指すためには、体内の細胞を若返らせる必要があります。そのための科学基盤を固めるために「BGC理論」を創出しました。不老長寿の実現とはこの理論を実用化することになります。BGC理論を見る →

若返りの鍵分子を、特定した

KEY COMPOUND

BGC理論を実用化するためには、多くの生理反応が対象になります。単一の薬物やサプリメントでは対応しきれません。試行錯誤の結果、アーユルヴェーダの伝統ハーブを組み合わせた製剤が有効であることが分かりました。伝統ハーブの中でも、アムラ果実の中に若返りの鍵となる成分が見出されました。

枝になったアマラキ(アムラ)の果実
アムラ
Galotannin (1,6-Digalloyl glucose)

アムラ果実に含まれるガロタンニン(1,6-Digalloyl glucose)が、皮膚の細胞(角化細胞・線維芽細胞)の増殖を顕著に促すことが、研究で見出されました。

細胞レベルでの若返りを実現する鍵成分として同定され、当社のAyucelra®素材の中心成分に位置づけています。

どうやって、突き止めたのか

IDENTIFICATION

果実エキスのどの成分が細胞を増やすか。私たちは4つの段階を踏んで、その分子を特定しました。

01 有効成分を精製する
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で、細胞を増やす活性をもつ成分を、単一のピークになるまで精製
02 基本骨格を決める
LC-MS/MS型の質量分析計で、分子の基本骨格を決定
03 微細構造を決める
核磁気共鳴(NMR)で、細部の構造まで決定
04 構造が決まる
主成分は 1,6-ジガロイルグルコース

主成分  1,6-Digalloyl glucose(1,6-ジガロイルグルコース)
副成分  1,3,6-Tri-O-galloyl-β-D-glucose / タンニン酸

いずれもガロタンニンと呼ばれる仲間です。ガロタンニンは、没食子酸とグルコースがエステル結合で重合した「加水分解型タンニン」に分類されます。革のなめし剤として古くから知られる、タンパク質と強く結びつく性質をもつ分子です。

その分子は、何をしているのか

FUNCTIONS

酵素と受容体

タンニンは芳香環と多数の水酸基を持つため、タンパク質表面の疎水性アミノ酸側鎖と疎水性相互作用を作り、水酸基が主にペプチド主鎖や側鎖と水素結合します。タンパク質との多様な相互作用により、多くの酵素活性を調節することができます。この働きが「BGC理論」の実用化に適しています。

ガロタンニンがどの遺伝子の働きを高めるのか、DNAアレーを用いて網羅的に調べました。もっとも顕著に誘導されたのが、ペリオスチン遺伝子でした。

ペリオスチン細胞外マトリックス形成コラーゲン合成細胞分裂DNA二重鎖切断修復皮膚分化染色体分離

ペリオスチンは、細胞の足場となる細胞外マトリックスをつくるタンパク質です。細胞の表面にある接着分子インテグリンと結びつくことで、細胞の増殖や分化を引き起こします。

アムラ果実エキスが細胞の増殖を促す効果は、このペリオスチンを介して起こることが示唆されました。成分を特定しただけでなく、それがどの経路を通って細胞に働くのかまで辿りつけたことになります。

研究の背景にある主な論文

KEY PAPERS

アムラの1,6-Digalloyl glucoseが、ペリオスチンの発現を高め、ヒト皮膚細胞の増殖を促すことを発見
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 2024
ハーブ製剤の摂取で、紫外線(UVB)による皮膚への影響が抑えられることをマウスで確認
Journal of Integrative Medicine, 2016
PRESS RELEASE

生命ナノシステム科学研究科 鮎澤大教授の研究グループが、細胞の老化防止メカニズムを発見!

横浜市立大学 2016年1月21日 プレスリリース
高氏裕貴・藤井道彦・鮎澤大 / Scientific Reports(2016年1月5日オンライン版)掲載

横浜市立大学の発表を読む →

※ 本ページは若返りに関する研究知見の紹介です。特定の製品の効果・効能を示すものではありません。動物・細胞レベルの研究を含みます。

RESEARCH COLUMN老化・不老と若返りの研究コラム細胞の老化・不老と若返りに関する研究の話題をご紹介しています。研究コラムを読む