アーユルヴェーダとは
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アーユルヴェーダとは
チャラカ・サンヒター 総説篇第1章
「アーユルヴェーダとは、生命に何が有益で何が不益か、幸福な人生と不幸な人生とは何か、何が生命にとって良いか悪いか、何が長命を招き何が短命を招くか、を述解する学問である」
アーユルヴェーダに着目する理由
- 世界の最古最大の長寿の(ayur)科学(veda)である
- 不老長寿を究極目標とし、八診療科目の中に不老長寿法が設定されている
- Dosha(病素)-Dhatu(組織)-Mala(老廃物)理論は当社代表の健康長寿理論と接点がある
- 膨大な植物利用体系は無限の可能性を秘める
- 先端科学との融合により健康長寿製品を実現できる可能性がある
アーユルヴェーダの歴史
リグヴェーダ(Rig veda、3000BC)とアタルヴァヴェーダ(Atharva veda 1500BC)をおもな起源とします。リグヴェーダは自然科学に加えて、病理学や治療法に関する韻文から構成されます。トリドーシャ理論やハーブ製剤も記載されています。アタルヴァヴェーダには、自然科学に加えて、診療八科目、長寿法、強精法などが記載されています。
ヴェーダの著者は僧侶であり、科学者であり、医師でした。自然科学と同様に、治療法(内科外科)、病気予防法、長寿法が口伝で伝えられ、後にヴェーダに書きとどめました。
紀元前1500年頃、八診療科目が整備され、二つの医学校(Atreyaの内科学とDhanvantariの外科学)が存立しました。ほぼ現在の形に体系化されました。各国(中国、ギリシャ、エジプト、ペルシャなど)から多くの学生がインドに訪れ、アーユルヴェーダを自国へもち帰りました。
アーユルヴェーダの発展した仏教大学
アーユルヴェーダはふたつの仏教大学で発展しました。
1つ目はグプタ朝5世紀前半に創設されたナーランダー大学です。仏教の最高学府として栄えました。玄奘三蔵が年間学び経典を漢訳したことでも有名です。学生1万人、教員1500人が滞在したと言われています。
ふたつ目はパーラ朝8−9世紀頃に創設されたパハルプール大学です。最大の仏教大学として発展し、177の僧院、1万人の僧を収容したと言われています。
両大学とも広大なキャンパスをもち、自然科学、医学(アーユルヴェーダ)、社会科学が研究されました。
治療八部門
アーユルヴェーダは、病気の患部だけを治すことを目的としていません。病気の発症にはいくかの器官が関係します。病気の起点は特別な場所から起こります。そこから、特定の経路を辿り、特定の器官で発症します。したがって、治療は常にその起点、その経路、最後の症状のすべての是正を目的とします。
治病医学
- 内科学(カーヤ・チキッツァー):身体全般における病気の治療
- 小児科学(バーラ・タントラ):小児病の治療、分娩産褥期の保護など
- 精神科学=鬼人学(ブーダ・ヴィディヤー):精神疾患の予防、治療、悪霊学など
- 耳鼻咽喉科および眼科学(シャーラーキャ・タントラ):外部器官の病気の治療
- 外科学(シャーリャ・チキッツァー):異物の摘出、腫瘍および膿瘍の治療
- 毒物学(アガダ・タントラ):解毒剤の作成と投薬
予防医学
- 老年医学=不老長寿法(ラサーヤナ):健康延命法、若返り製剤と食物学
- 強精法(ヴァジーカラナ):精力増強法、催淫剤と精力剤の投与法
東洋科学と西洋科学の相違
アーユルヴェーダと西洋医学の原理とは全く異なります。
西洋医学は患者を治療の対象と見ます。患部を医薬品に対応させます。逆症医学における薬の役割は、患部の代謝を変えることです。症状の改善を目的とするため、薬を使い続けなくてはなりません。副作用の問題は看過します。
アーユルヴェーダの薬の役割は、ドーシャの攻撃から組織を守ることです。病気の原因を取り除くことを目的としています。
診断治療に有益なトリ・ドーシャ理論
アーユルヴェーダの最も重要な概念はトリ・ドーシャ理論です。ヴァータ(Vata)、ピッタ(Pitta)、カパ(Kapha)と呼ぶ三つの生命原理が生命現象と病気を支配すると考えます。
ドーシャは語源的に、祟り、過ち、不純物を意味します。ヴェーダ医学、インド土着医学、サーンキャ哲学が融合されてできた概念だと考えています。その理解にはやや困難な点があります。簡単に言えば、健康と病気を判定する「物差し」です。
- すべての細胞、組織、器官に存在し、生命活動を制御する
- 変動様式を指標として、病気の診断と治療を行う
- 調和=健康、不均衡=病気とする